南丹日本語クラブ

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日本語教育おすすめ本 1

日本語教育、日本語ボランティア、母語・母文化支援など外国人教育の問題、及び母語・第二言語・外国語の習得をテーマにした良書を紹介します。

日本のバイリンガル教育

山本雅代編著

アイヌ、在日朝鮮人、様々なニューカマー、沖縄のアメラジアンなど日本語以外の言語を母語・継承語とするマイノリティの子供たちに対するバイリンガル教育の現状と課題を考察した本。マイノリティに対して同化を基本としている日本の教育政策を批判し、マイノリティの民族的アイデンティティを尊重してマイノリティの子供たちがバイリンガル・バイカルチュラルとして成長できる多文化教育を提唱している。

アルク、平成12年(2000)8月

ボランティアで日本語を教える

岡本牧子編著

大阪YWCA日本語教師会が、ボランティアが外国人に日本語・日本文化・日本での暮らし方までを教え、色々な相談にも対応するためのハンドブックとして作成したもの。国際化時代の日本人としての心構えも説いている。
地域における市民による日本語支援というテーマの教科書としては最良の一冊。日本語文法や日本語教授法の入門書にもなっている。

アルク、平成12年(2000)7月

アジアにおける日本語教育

本名信行・岡本佐智子編

アジアおよび日本語教育が盛んなオーストラリアにおける日本語教育の歴史と現状と課題を述べた論文集。
これまでの翻訳文化的な発想を転換して日本語を世界に向けて発信すべきという問題提起をすると共に、日本企業で働きたい日本語学習者をいかに支援し、またこれから日本語学習者をいかに増やして行くかという日本語教育についての政策提言も行なっている。

三修社、平成12年(2000)5月

ニューカマーの子どもと日本の学校

太田晴雄

国語(日本語)を唯一の教育言語とする国民教育の理念と制度を批判した本。外国人の子供に国民教育の枠組で対応し、日本語・日本文化への適応を強いることをマイノリティに対する奪文化化であるとして、マイノリティの母語・母文化を尊重する多文化教育(脱国民教育)を提唱している。外国人の子供には日本語だけではなく母語による学習も必要であるという論点は、学力の発達保障という観点から首肯できる。

国際書院、平成12年(2000)5月

ここからはじまる日本語文法

森山卓郎

日本語文法の基本的項目と、現時点での日本語文法にまつわる問題点、論争点までを網羅的に扱っている日本語専攻者向け教科書。
国文法・学校文法と比較しながら解説されているので、日本語文法と国文法とを対比しながらそれぞれの違う部分と共通する部分を確認し、日本語・国語の文法の体系を整理して理解するのに役立つ。

ひつじ書房、平成12年(2000)3月

日本語教育と日本事情

細川英雄編著

日本語教育における日本事情とは外国人が異文化としての日本を学ぶ科目であるが、その目的を外国人の日本社会への受身の適応だけではなく、社会のメンバーとして主体的に参加していくことを目的とした学習であるべきという視点からアプローチした本。ステレオタイプのイメージや単なる客観的知識ではなく、外国人が現実の日本社会や日本人を知るための日本事情とはいかにあるべきかを問うている。

明石書店、平成11年(1999)10月

日本人はなぜ英語ができないか

鈴木孝夫

日本人は、先進的な外国に対して、外国への同化と自己改造という「自己植民地化」の精神構造で臨んできた。英語教育もそうした精神構造によって行なわれてきたが、大国の一つとなった現在の日本にとって必要なのは、日本人が自分自身を表現する発信型の英語教育である、と提言した本。
盲目的な外国語信仰ではなく、外国語習得の目的を明確にした上での合理的な教育システムの必要を説いている。

岩波新書、平成11年(1999)7月

発達心理学

内田伸子

副題に「ことばの獲得と教育」とあるように、言語の獲得過程に焦点を当てた発達心理学のテキスト。言語は生物学的・認知的な内部要因と環境要因の複合として獲得されるが、乳児の段階から生活言語・学習言語を獲得し、自己や他者や世界との関係を物語として構築するに至る主体形成の過程を包括的に記述し、国語教育・外国語教育・バイリンガルなど日本語教育学にとっても基礎的な知識を提供している。

岩波書店、平成11年(1999)3月

入国児童のための日本語教育

縫部義憲

主に小学校における入国児童生徒への日本語教育の現状・問題点・対策を、教育学・言語学・心理学・社会学などの知見に基づいて、具体的な事例を紹介しながら包括的に概説したもの。
内容は学術的だが、年齢別に対応した指導法、また異文化摩擦を踏まえた指導法を具体的に解説していて、子供に対する日本語教育の理論と実践にとって非常に役に立つ。

スリーエーネットワーク、平成11年(1999)3月

僕はこうして日本語を覚えた

デーブ・スペクター

シカゴの11歳の少年が偶然出会った日本の漫画を読みたいがために日本語を習得し、アイドル・文学・歴史など日本文化全般に通暁し、やがてアメリカ随一の日本オタクに成長して、日本人より日本語が上手いアメリカ人として日本で活躍するまでを描いた自叙伝。
外国語は趣味から入るのが一番と説くデーブ流日本語学習の方法論にも多くの紙数が割かれている。

同文書院、平成10年(1998)9月

日本語「らしさ」の言語学

城生佰太郎・松崎寛

英語中心主義と言語学的無知とお国自慢による日本語特殊説という「迷信」を批判しつつ、日本語の個性、日本語「らしさ」を、表記・語形・文法・音声などの側面から比較言語学的に探究した本。様々な雑学や面白ネタが駆使されていて、楽しく読める一冊。
音声におけるプロソディーの重要さを強調し、外国語教育に取り入れることを提唱している。

講談社、平成7年(1995)1月

日本語が見えると英語も見える

荒木博之

日本の英語教育では日本語と英語の違いを教えないが、英語を学ぶには英語圏の文化を知り、そのことを通じて日本語・日本文化を知ることが必要であり、情動的・感覚的・共同体的・モノローグ的な日本語と分析的・論理的・個人主義的・ダイアローグ的な英語との違いを知り、相互媒介的に学ぶことが必要と説く。日本語を英語に直訳可能な段階のものに意識的に論理化する「中間日本語」の訓練を提唱している。

中公新書、平成6年(1994)10月

外国語教育理論の史的発展と日本語教育

名柄迪・茅野直子・中西家栄子

ラテン語教育で行われた文法訳読法から最近の外国語教育理論までを批判的に跡付けた労作。日本語教育にも取り入れられている代表的な外国語教育理論がどのようなものであるかを、その背景も含めて知るのに最適の一冊。
様々な外国語教育理論をいかに日本語教育に活かすかという問題意識で書かれており、現場の日本語教師にとっても非常に参考になる。

アルク、平成元年(1989)12月

ことばと発達

岡本夏木

子供が獲得する言葉を、具体的な関係の中で使用される一次的ことば(いわゆる生活言語)と学校教育で教えられる抽象的な二次的ことば(いわゆる学習言語)に分け、それぞれの言葉の特質と発達の構造を解説した本。二次的ことばの獲得(強制)によって喪失されがちな他者との共同性のことばである一次的ことばの意義と価値を説き、権威主義的な言語教育観を批判している。

アルク、昭和60年(1985)1月

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